四十 報恩講 「狐雲」
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門徒宗 娘も光る 程みがき
(狐雲)
お寄講 にて見合うのは 二度目なり
(狐雲)
お講
明けましておめでとうございます。身は、法の器と申します。何より健康を、期待します。
報恩講の季節でございます。江戸時代の川柳は、当時のお講を皮肉っています。お講は交際の場でもありまして、見合いに利用されました。娘は、寺参りというのに、光る程みがき飾って出ました。中には去年のお講での見合いが成功せず、二度目の見合兼用参詣という、手合いもある次第です。
正午までの食事を斎(とき)といい、午後の食事を、非時(ひじ)と申します。お講に斎や非時が出るようになったのは、蓮如上人からです。本願寺では、報恩講中、毎日午前の日中法要がすむと、お斎があり、午後の逮夜法要がすむと、非時がでます。秀吉が諸候に号令した鴻の間で、門主出座の上、ともどもに膳につきます。斎は、仏制定の法食(ほうじき)であり、善根を増長す、とあります。
お斎
また毎日、よるの勤行に、斎・非時の勤行がある。殊に一月十四日の斎の勤行は、毎年九ケ村(くかむら)同行の人々が、音頭を取る。福井県の山奥、穴馬(あなま)の同行達、十数人です。ここの先祖が、石山合戦の時、米をかついで参り、丁度お講なので、門主が御開山の前で、勤行させたそうです。
(昭和三十九年一月)