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精進 (しょうじん)

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法輪

えっ!仏教語だったの?

愛_(あい)
悪魔_(あくま)
ありがとう
暗証_(あんしょう)
一大事_(いちだいじ)
一蓮托生_(いちれんたくしょう)
有頂天_(うちょうてん)
縁起_(えんぎ)
往生_(おうじょう)
億劫_(おっくう)
開発_(かいほつ)
我慢_(がまん)
祇園_(ぎおん)
快楽_(けらく)
玄関_(げんかん)
金輪際_(こんりんざい)
三蔵法師_(さんぞうほうし)
三昧_(さんまい)
四苦八苦_(しくはっく)
邪見_(じゃけん)
邪魔_(じゃま)
受持_(じゅじ)
精進_(しょうじん)
世界_(せかい)
世間_(せけん)
殺生_(せっしょう)
刹那_(せつな)
善哉_(ぜんざい)
退屈_(たいくつ)
大衆_(たいしゅう)
大丈夫_(だいじょうぶ)
達者_(たっしゃ)
他力本願_(たりきほんがん)
畜生_(ちくしょう)
超_(ちょう)
道場_(どうじょう)
道楽_(どうらく)
内証_(ないしょ)
ばか
悲願_(ひがん)
不思議_(ふしぎ)
法螺を吹く_(ほらをふく)
微塵_(みじん)
迷惑_(めいわく)
利益_(りやく)
臨終_(りんじゅう)
流行_(るぎょう)
流通_(るづう)
仏教語だったの

 最近、肉や魚を使わない精進料理がちょっとしたブームになっています。季節の野菜やお豆腐を使った精進料理は、飽食時代ともいわれる現代社会の中では、ヘルシーでしかもダイエットにも効果的な食事として人気を集めているようです。

 この「精進」という言葉は、お釈迦さまが初めて行った説法とされている「八正道」(八つの正しい道)という教えの中で用いられた言葉です。「八正道」には、私たちが歩むべき八つの道である「正見」「正思」「正語」「正業」「正命」「正精進」「正念」「正定」がありますが、それぞれの「正」とは「正しい」、「精進」とは「努力」を意味します。ですから、「正精進」とは「正しい努力」と解釈できるわけです。

 しかしながら、この「正しい努力」とは具体的にどのような努力なのかが、いま一つピンときません。というのは、私たちが自分で正しい努力だと思っていることが、他人にとっても正しい努力になるとは限らないからです。

 実は「八正道」という教えで説かれている「正」とは、結果や損得を優先してしまうような私たちの身勝手な判断基準による正しさではなく、お釈迦さまの教えをよりどころとした偏りのない正しさのことをいうのです。もっと言うと、結果や損得に振り回される必要のない自分を、その教えを通して見つけ出していく歩みを「正精進」というのです。

 価値観が多様化している現代社会にあって、身体にも心にも偏りのない正しい精進料理が、正に必要なのかもしれません。



仁禮秀嗣 登別大谷高等学校教諭(宗教科) 月刊『同朋』2003年8月号より


 出典と掲載許可表示(東本願寺出版部発行の月刊『同朋』)から転載しました。