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一大事 (いちだいじ)

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法輪

えっ!仏教語だったの?

愛_(あい)
悪魔_(あくま)
ありがとう
暗証_(あんしょう)
一大事_(いちだいじ)
一蓮托生_(いちれんたくしょう)
有頂天_(うちょうてん)
縁起_(えんぎ)
往生_(おうじょう)
億劫_(おっくう)
開発_(かいほつ)
我慢_(がまん)
祇園_(ぎおん)
快楽_(けらく)
玄関_(げんかん)
金輪際_(こんりんざい)
三蔵法師_(さんぞうほうし)
三昧_(さんまい)
四苦八苦_(しくはっく)
邪見_(じゃけん)
邪魔_(じゃま)
受持_(じゅじ)
精進_(しょうじん)
世界_(せかい)
世間_(せけん)
殺生_(せっしょう)
刹那_(せつな)
善哉_(ぜんざい)
退屈_(たいくつ)
大衆_(たいしゅう)
大丈夫_(だいじょうぶ)
達者_(たっしゃ)
他力本願_(たりきほんがん)
畜生_(ちくしょう)
超_(ちょう)
道場_(どうじょう)
道楽_(どうらく)
内証_(ないしょ)
ばか
悲願_(ひがん)
不思議_(ふしぎ)
法螺を吹く_(ほらをふく)
微塵_(みじん)
迷惑_(めいわく)
利益_(りやく)
臨終_(りんじゅう)
流行_(るぎょう)
流通_(るづう)
仏教語だったの

 1999年の自殺者は33,000人だそうです。そのうち7割が男性で、女性の自殺者数は減少しているけれど、男性は増えつつあるということです。これはまさに現代の「一大事」のように思われます。

 自殺の動機は千差万別だと思われます。経済苦・病苦・人間関係苦等々だそうです。生と死のギリギリのところで、死の方を選んでしまったということでしょう。その選択を他人がどうこう言える筋合いはないと思います。ただ、その生と死のギリギリの選択のときに、「生」の方に重心が移るような手だてはないものかと思います。まあ果たして生の方が絶対によいのだという保証もないのです。しかし、とりあえず今は死に重心をあずけるのではなく、生の方に少し多めの重心をかけておこうという心の構えがつくれないものでしょうか。

 蓮如上人は「後生(ごしょう)の一大事を心にかけて、阿弥陀仏をふかくたのみまいらせて、念仏もうすべきものなり」(『白骨の御文』)と語られています。この「後生の一大事」を私は「浄土に人生の最終的な結論がある」と受けとめています。つまり、これをひっくり返せば、この世に人生の結論はないということになります。あくまで、過程(プロセス)であって結論ではない。人生の様々な出来事・事件があっても、それを結論としない。この命が終わるときに人生の最終結論は出るのだと受けとめれば、生きることに幾ばくかの余裕が生まれてくるように思えます。

武田定光 たけだ じょうこう・真宗大谷派因速寺住職 月刊『同朋』2002年1月号より


 出典と掲載許可表示(東本願寺出版部発行の月刊『同朋』)から転載しました。