「往生 (おうじょう)」の版間の差分
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2007年8月5日 (日) 19:56時点における版
かつてNHKの大河ドラマで、「源義経(みなもとのよしつね)」が放映された。内容はともかく、弁慶の壮烈な死は、妙に脳裏に焼きついている。あの弁慶の"立往生"から連想されるのか、現代では、往生は困りはて動きがとれない様子をいうか、人の死を意味する。それは浄土を死後に夢み、そこへの往生を考えるからであろう。
しかし親鸞は、「信心のさだまるとき、往生またさだまるなり」(末燈鈔)と、今の往生を語る。自我(じが)を中心とした自分の都合を生きるのではなく、浄土の真実に照らされ、賜(たま)わった命に目覚めて浄土の真実を生きていく人生、その宗教的自覚を、往生浄土というのである。
延塚知道 大谷大学教授・真宗学 大谷大学発行『学苑余話』「生活の中の仏教用語」より
出典と掲載許可表示(東本願寺出版部発行の月刊『同朋』)から転載しました。 |