「五十二 ご命日 「後生口説き」」の版間の差分
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2016年10月4日 (火) 17:36時点における最新版
ハー 今日はご命日 二十八日よ 皆もゆるりと
お茶 のむまいか 余り渡世のせわしき故に
大慈大悲の ご恩の程を 懈怠(けたい)だらけで
一日 暮らす
・・・・・
そこで 泣く泣く 六角堂へ
毎夜毎夜の歩みを運び 雨の降る夜も
風吹くよさも 雪や氷を 踏みわけ給う
きらら坂とて その名も高き 難所 峠を
おん徒歩(かち) はだし 百夜満願
そのあかつきに ふっと み法をこうむらせられ
嬉し涙にむせばせ給い
東山なる吉水寺に 訪ねまいらせ
み弟子となりて 弥陀の本願 おひろめなされ
伝統
俵山はご法義の篤い所です。殊に木津小原は、西念寺の所として、今もご法義を大切にしています。この唄は、木津(きつ)に伝わる盆踊りの、後生口説きと申します。ほんの一部分です。
書物から信仰に入ることはできません。賢い愚かの別なく、生きた人間から生きた人間に、ご法義は伝わります。夏の夜の踊りの口説、駒が勇めば花が散るというようなことではない。御開山さまのお生涯を、わが師として、踊りの中にも先輩は口説いて聞かせてくれた。雪にちがいがあるじゃなし。そんな歌ではない。先輩は雪にちがいがあると、口説き続けてくれたのである。
(昭和四十年一月)