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四十二 信心の智慧 「善太郎」

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法悦百景 深川倫雄和上

四十一 舞台 「池山 栄吉」
四十二 信心の智慧 「善太郎」
四十三 無我・極楽への道 「中 勘助」
四十四 独楽 「明顕寺住職」
四十五 聖人の妻 「恵信尼公」
四十六 名号成就 「一遍上人」」
四十七 自力無効 「小川 チエ」
四十八 オコタルベカラズ 「浄泉寺 覆善」
四十九 夢の王 「後白河上皇」
五十 法の妻 「二条 弘子」
五十一 流星の光ぼう 「与謝野 晶子」
五十二 ご命日 「後生口説き」
五十三 苦境にうつ鞭 「九条 武子」
五十四 帰る旅 「小泉 義照」
五十五 老いらく 「佐藤 春夫」
五十六 しのびの殿御 「お軽」
五十七 上皇遠流 「後鳥羽上皇」
五十八 赤い牛 「宏山寺 僧僕」
五十九 大盤石 「九条 武子」
六十 先立ちし子 「有田 甚三郎」
ウィキポータル 法悦百景

   この善た郎か 五たいは
   一 つちと五を   二 すいと五を
   三 ひと五を    四 かせと五を
   よつのかりもの たま四がやどりてをる

   一 ちちの五を   一 ははの五を  一 をかみの五を
   一 □わ□まの五を          一 九にのとの三まの五を
   一 こめもほとけ三のもの五を     一 きりものもにょらい三の
   一 むきもにょらい三のもの      一 たいすも五を
   一 あつきも五を           一 あわも五を
   一 とみきも五を           一 なつまめも五を
   一 たとも五を            一 いもも五を
   一 たいこも五を  一 五ほも五を
   一 いたも五を   一 いさいのつかいと九も五を
              (善太郎)

一文不知

 善太郎は百八年前なくなりました。昨年、浜田の金蔵寺に参り、善太郎の書いたものを見ました。少し読み良くしてもこの通りです。一体、文字や知識が、どれほどの意味があるかと、考えさせられました。

智者

 信心の智慧に入りてこそ、仏恩報ずる憶いあり。信仰の智慧とは、何とすばらしいものであろうか。大根も牛蒡も、御恩であるというくらしである。智恵者の知ったかぶりではない。善太郎の文字もしらぬ述懐である。こういう人に私はなりたい。ほめられなくても、私は田舎者が好きだ。

(昭和三十九年三月)