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昭和ひと桁世代 82

提供: Book


昭和ひと桁世代の私には、戦前の風俗の記憶が多分に残ります。それを近頃の世相風俗と思い合わせますと、今昔の感、ひとしお深いものがあります。

昔は村の道の辻、農家の広い庭先は、子供の恰好の遊び場で、いつも群がり遊ぶ子等でにぎわいました。

どの家の子も兄弟姉妹が多く、誕生までの赤ん坊は、おおかた小学校の大きい女の子に負んぶされています。弟や妹のない女の子は、近所の赤ん坊の子守をいたします。

背中に赤ん坊がいては、負んぶしてない友達と、運動量の多い活発な遊びはなりません。そこで五つ六つの幼い子や、低学年の子の輪の中に入って遊びます。 背中の赤ん坊と一緒では、ナワ跳びなど思うように跳べません。つまり、背中の赤ん坊のハンディキャップをつけて、小さい子達の仲間に入れてもらいます。

赤ん坊は、大きなお姉さんの背中にあって、小さい子達の遊びを遊びます。背中で共に弾んで、赤ん坊は大喜びしています。


法蔵菩薩因位時・・・、親鸞さまは偈にして、衆生を救う如来さまの願い発動のおいわれを、お経に基きおきかせです。

不可思議兆載永劫の善徳集積の間中、罪濁の凡夫、私を片時も離さずまします如来(おやさま)です。

諸有衆生(あらゆるしゅじょう)のその中に、とりわけ苦悩の有情、私こそが捨ておけないと、功徳の行が果たされました。ナンマンダブツのいわれです。

法蔵・弥陀(おやさま)の大願の背中に、私を弾ませ跳らせたもうて成就(しあが)ったナンマンダ仏。令諸衆生(しゅじょうをすくう)、功徳成就(くどくはしあげた)と告げらるるナンマンダ仏のおいわれです。

藤岡 道夫