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スター歌手 56

提供: Book


スター歌手が、名だたる俳優の娘である女優と結婚、数億円の巨費をかけた披露宴が、テレビで放映されたようです。

当日、新聞のテレビ番組が、これで埋まったので知りました。やがて新聞広告の週刊誌見出しで、その浮かれっぷりすら、大凡を察することが出来ます。

目的は結婚生活にあります。その開始のための手続き手段の披露宴が、やたら膨張して、スターならではのこととはいえ、さながら披露宴の方が目的みたいな有様です。

阿弥陀さまの正覚(さとり)の内実は、物の為の身となるにあると承ります。性懲りもない煩悩の有状(ありさま)を凝視(みつめ)られ、流転窮まりない命がいたたまりません。

弥陀(おや)さまの願いは貫き徹され、功徳を完備した仏力が、ナンマンダ仏に成りました。凡夫を標的に仕上げられ、今や私に称えられるナンマンダ仏が成りました。凡夫煩悩の身に入り満ち、無常の命に宿り給うナンマンダ仏こそ、本願の目的・凡夫おすくいの眼目です。物為の身となる親さまは、私の往生成仏を離さずおいでになりました。

深川倫雄和上、常に仰せに”弥陀の救済は今日が目的です。信心念仏は、お浄土参りの方便(てだて)や道具ではありません。信仰生活は、往生の手段であってはなりません。ナンマンダ仏は、弥陀(おや)さまの救いの活現です。五体一杯、光寿無量の親さまが、ナンマンダ仏と満ちておいでの今日、只今が目的です”と、お聞かせ下さいます。

弥陀(おやさま)の、ちかいのみ名を聞き、忽ちに正定聚の位に定まりつき、仏智を恵まるると、即得往生のご法義を、輝かして下さったご開山さまのお導きを、親密肌身に覚えるご教化にして下さいました。


藤岡 道夫