操作

県外のお寺の説教 88

提供: Book

2009年7月29日 (水) 13:54時点におけるWikiSysop (トーク | 投稿記録)による版 (1 版)

(差分) ← 古い版 | 最新版 (差分) | 新しい版 → (差分)


県外のお寺の説教などで、旅する事が多うございます。この寺に生まれた坊守は、帰る実家もありませんし、それこそ温泉行き一つせず、結婚以来ずうっと、寺の裡に過ごしてきました。それが娘の結婚とともに、お寺の後継者も出来、私共廿七年目で漸く時間の余裕を恵まれました。先頃有難いことに、親鸞聖人ご存命の頃から、殊の外深いご縁に始まる、真宗高田派のご本山専修寺を、三重県津市一身田に訪ねて、かねて念願の参詣を果たしました。旅の途中立寄りました瀬戸大橋は、聞きしに勝る規模雄大で、眼を瞠(みは)るものです。

わが国開闢から江戸時代まで、中国の文明に追随すること千数百年。そして百年、イギリス・フランス・ドイツを目標に、その文化文明の吸収に努め続けた日本です。戦後、アメリカの圧倒的な文明に憧れをもって、追いかけました。つまり何時の時代も、日本には目標の国がありました。それが今、世界中から目標にされる---日本です。この日本の先端工業技術の粋を集めて、瀬戸大橋が完成しました。

テレビの空からの映像、新聞の詳しい解説で知りました。そしてこの眼で見上げ、見下ろし見渡して”凄い、こりゃあやっぱり来て見てよかったなあ”と、夫婦ともに、しきりに感嘆の声を上げました。

西念寺の深川倫雄和上、ある日の仰せに ”善導さまが 浄土対面して 相忤(あいたが)わずといわれるのは やっぱりなあ! ということです”とありました。

事実極楽に参るというと、如来(おや)さまの仰せ、お釈迦さまのみ教え通り。まっこと、やっぱりなあ、という世界、疑いなく順う所をお示しです。


藤岡 道夫