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「私共が普段話す言葉 33」の版間の差分

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2009年7月29日 (水) 13:51時点における最新版


私共が普段話す言葉は、時と所、立場や事情によって使い分けられます。つくろい事も、飾りごとも、当然のこととしています。

ところで今、我が国の文部大臣の発言が、韓国・中国をおこらせていると・・・新聞で見ます。これは大臣のふだんの物の言いぶりが、現れたとみられます。そこには身についたおもむきがうかがえます。

さて、お医者さんにかかって薬を出してもらう窓口では、大てい”お大事に”と言うて下さる。”どうぞお大事に”結構な言葉です。ところが、ある医院の看護婦さん、亡くなられた患者さんの”死亡診断書”を渡しながら言いました。”どうぞお大事に”と。

ここは”大変残念でございました”とか、”ご愁傷さまです”とか、言うべきところです。ところが治療中の患者さんに、薬を渡す折の習慣で”どうぞお大事に”と、ついうっかり申したことでした。

俵山・西念寺の和上、深川倫雄先生には、毎月お三部経のご講義を承ります。ある時和上”クセになる程のお称名を”と仰言いました。”仏恩報謝の営みは工夫をこらし努力もする。そしてそれがクセになる程の営みをします。お念仏をクセになる程に身につく御礼報謝をいたしまして”と、聞かせて下さいました。

阿弥陀さまのお慈悲を蒙って、今、現にお助けにあずかる身になりました。六道の生死のまよいも、今生が最後にして貰いました。輪転往来の境界も、この生涯を限りに止めて下さいました。ナンマンダ仏の親さまが、離れずご一緒して下さる、今や大安堵の我が命。報謝せずんばあるべからず。たとえ骨は砕かずとも、クセになる程にお称名申させて頂きます。


藤岡 道夫